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「お前も洗っちまえよ。体はさっぱりしても、服が汗にまみれたままじゃ気持ち悪いだろ」
その提案を聞いた者と言えば、暫く考えた後で脱いだ衣服を纏めて浴室へ入った。そして、アランと同様にバルブを捻ると、自らの服を洗い始める。
そうして服を洗った後、二人は服を搾って脱衣所の棚に干した。彼らは、そうした後で体を洗い始め、アランは少年の体を横眼で見やる。
シュバルツの体は、青年より白くて細かった。この為、アランは少年の体を見て笑い、白い腕を掴んで持ち上げる。
「やっぱ、まだまだだな」
そう言って手を離すと、アランは自らの髪を洗い始めた。対する少年はアランの体を見つめ、それから自分の体を見下ろした。
「うん、筋肉馬鹿には負けるかな」
それを聞いた青年は、少年の背中を軽く叩いた。
「誰が馬鹿だっつの」
少年は、不意の刺激に咳込み、それからアランの顔をじっと見つめた。しかし、彼は何か言葉を発することは無く、素早く髪や体を洗うと浴室を出る。
浴室を出た者は、濡れたままの服を手に取ると上下に勢い良く振った。とは言え、その程度で服が乾く訳もなく、シュバルツは溜め息を吐いて湿ったままの服を身に付ける。
そうこうしている内にアランも浴室を出、彼は濡れた服を持つと脱衣所の奥に向かって行った。そこには、白いドライヤーが幾つか在り、彼はそれを使って服を乾かし始める。一方、シュバルツはそれをどこか恨めしそうに見つめ、それから濡れた上着を掴んで体から離した。
「なんだお前、濡れたままの服を着たのか」
服を乾かしている者は、そう言うと少年の姿を横目で見やる。すると、少年は目を瞑り、少しの間考えてから口を開いた。
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