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「うん。乾くまで時間が掛かりそうだし」
シュバルツは、そう言って脱衣所を去ろうとした。しかし、その前にアランが彼を呼び止め、その声に気付いた少年は立ち止まって振り返る。
「誰も待ってねえんだし、急ぐことねえだろ。つーか、出てくの早えよ」
この時、アランがドライヤーを掛けていた服は殆ど乾いており、彼はそれを身に付けると厚めのボトムズを乾かし始めた。
「でも、長居する理由も無いよね?」
そう問うと、少年はわざとらしく首を傾げた。対する青年は軽く笑い、それから自らの意見を伝えていく。
「まあな。だが、その服で歩き回るつもりか?」
アランの問いを聞いた者と言えば、自らの上着を掴んで見下ろした。
「水も滴る良い男?」
「良くねえよ。子供達が見たら更に良くねえよ」
青年は、そう返すとわざとらしく溜め息を吐いた。
「ほら、乾かしにこっち来い。着たままだって少しは乾くだろ」
アランの話を聞いた少年と言えば、暫くの間をおいてから青年の方へ近付いていく。そして、使われていないドライヤーを手に取ると服を乾かし始め、それが大体乾いたところで髪を乾かし始めた。
少年が髪を乾かしていた頃、アランはボトムズを乾かし終え身に付けていた。その後、シュバルツの髪も直ぐに乾き、二人は連れ立って脱衣場を出る。
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