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少し恥ずかしそうに笑う彼の横顔を、
オレンジ色の夕日が照らしていた。
「返事は、まだいいから。
迷惑じゃないなら、また起こしてくれる?」
「いいよ。
そのかわり、私以外に頼まないでね?」
頷く河合の笑顔は、私の好きな顔だった。
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翌日からも、私たちは今までと変わらない。
今は、あの日ぶりのあの先生の授業。
「河合!お前また寝てるのか!」
パシッ
「いってー!だからそれ体罰だって!」
教室には、いつものように笑いに包まれる。
そして授業が終わると…
「なんで起こしてくれなかったんだよー。
起こしてくれるって言ってたのに…」
そう言って頬を膨らます河合が、なんだか愛おしい。
「んー河合の寝顔が好きだからかな。」
「え…」
顔を真っ赤にした彼を見て、
私はクスクスと笑う。
私たちの会話は、少し変わった。
知ってた?
返事は決まってるんだよ。
隣で眠る、私の王子様…
眠り王子 -fin-
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