眠り王子

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その後の授業では、河合のことしか考えられずにいた。 好きな人、誰なのかな。 かわいい子、なんだろうな。 そして、放課後を迎えた。 相手が誰でも、真剣に聞こう。 相談に乗ってあげよう。 少しでも、河合と話せる時間が増えるように… ガラッ 開かれたドアに目を向けると、真剣な顔をした彼がこちらに向かってくる。 寝顔と、言い合いをする時のふざけた顔しか見慣れていない私は、ドキドキが治まらない。 「…待った、よね?」 「ううん。大丈夫。」 自分の気持ちに気がついた私は、 彼から視線を外し、窓の外を眺めた。 隣に彼が立った気配がしてチラリと横を見ると、 私がしていたように、窓の外を眺めている。 切なげに眼を細める彼の横顔がキレイで、 涙があふれそうだ。 .
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