眠り王子

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「直接言われたんじゃないんだけどさ…」 暫しの沈黙の後話し出した彼の声は、 少し震えていて、切なさが増す。 「あの先生の授業、どうしても眠くなっちゃうんだけど、起こしてくれた人がいてね、 それから、話す機会が増えてたんだ。 それがうれしくて、調子のってたら、 『迷惑だ』って他の人に言ってるの聞いちゃって…」 河合は私以外にも起こしてもらってる。 反対隣りの、あの子かな… 私が話せずにいると、彼はそのまま続ける。 「だからさ、頑張ろうと思ったんだ。 でも、頑張っても話す機会減るだけだった。 寝たふりでもしようかと思ったんだけど、 お前に迷惑だって思われるのは嫌だったから…」 …ちょっと待って、 お前って、私……? 「ちょっと、河合…   お前って…」 .
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