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「ハハハ、そんなこと頑張っても今更だったよな。
お前に、ずっと迷惑掛けてたんだもんな…」
悲しそうに目を伏せる彼に、戸惑ってしまう。
河合の、迷惑掛けたくない人が、私?
私は、迷惑だなんて、思ってない。
「ちょっと、待って、
わかんないんだけど、私の事、だったの?」
「…うん、そうだよ。」
そう言って、苦笑いを浮かべている。
私が、『迷惑だ』って、言ったの?
そんなはずない。
私は…
「私も!河合と話せて、楽しかったよ。
迷惑だなんて思ってないし。
河合が寝なくなって、私だって…」
彼の顔が見れずに目を伏せていると、
何か温かいものに包まれた。
「なんで…泣いてんだよ…」
頭の上から聞こえる彼の声。
自分が抱きしめられているとわかった。
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