0番線:始発

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「あらぁ?まだ乗ってないの?」 勝手に乗ると怒るくせに…… 「今日は何に乗るの?」 「今日はムルシエラゴよ!」 そう言って鍵のスイッチを押してムルシエラゴのドアを開けて中に入る。 「もうっ!」 本当に朝から苛つくっ! 私も車に乗ってシートベルトを締める。 お母さんがセルを回す その瞬間エンジンが点火し回転数を上げていく 後ろからその振動と爆音が伝わって来るたび私の胸は高鳴る 「発進!」 お母さんは掛け声と共にアクセルを踏み、車はタイヤにエンジンの回転を伝える。 タイヤはその膨大なトルクに耐え切れずに空転する 車は白煙を撒き散らしながらガレージを出る。
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