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「とりあえず、僕がこの隊の隊長になっちゃったんだ、なっちゃったものは仕方がないから精一杯やらせてもらうよ」
「はい! よろしくお願い致します隊長殿!」
「よろしくユウイ……隊長!」
と、僕が挨拶をしても、返事をくれるのはプロレスラーみたいな人とルーネだけだ。
「と……とりあえず自己紹介してもらおうかな」
その後、ルーネの提案通り一人ずつ自己紹介をしてもらう事になった。基本的に大体の隊員がプロレスラーみたいな男の人と同じく、荒くれ者みたいな人と、怖いおっさんと兄ちゃんの固まりだ。
全員で迫られたらおしっこ漏れてしまいそうになる。その中でも、一際見た感じ印象が強いのがいたりもする。
「バビロス=ダイナマイトと申します! 以後よろしくお願いします隊長殿!」
と、元気良く挨拶した僕に負けたプロレスラー、バビロスさんは特に覚えやすい存在だった。まず僕と戦ったってのが大きいのだけど……名前。
お前それネタだろ、としか言えないような名前をしている。後胸毛が濃い。
「……ベイン、それだけ覚えといてよ隊長さん」
素っ気無く挨拶をした彼女も印象強かった。まず珍しいルーネと同じ女性の志願兵というのと、ボルズのようにババアという感じでもなく、若くそれなりに綺麗な人だったからだ。
年は僕より確実に上で、二十代前半くらいだろう。長髪の赤髪で左目に何故か鋭利な物で切られたと思わしき傷跡が残っている。
綺麗な容姿をしているにはしているが……なんというのだろう、なんか全体的に怖い感じのオーラを漂わせている。誰も私に近付くな的な。
……覚えられたのはそれくらいだろう。後の人はなんかどれもこれもチンピラみたいな顔つきと態度で、正直覚えられなかった。多分その内適当に覚えるだろう。
「それじゃあ集合場所の城門前に移動します。一応ちゃんと集まってないと僕が責任取らされるのでちゃんとついてきてください」
自分で言っていても情けなくなるくらい締まりのない号令を出して、僕は城へ向かおうとした。
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