第三項目 戦火の灯火

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「どこに行くんだ?」  見た感じ、兵士を避けて移動しているように見えるのでお忍びの行動なんだろうが、一体どこに向かってるのだろう?  むしろあんな小さい子供が忍者スキルを発動し、兵士の目をかいくぐって頑張って移動しているのに僕は何をしているんだ?  何でこんな石階段の間に挟まってるんだ?  なんか情けない……とにかくあの怪しい子供を追ってみようと思う。  もし追ってる最中に孝一が戻ってきたら孝一には悪いけど、後で事情を説明したらわかってもらえるだろう。  そういう訳で…………ほへぁ!? 「だ……だれ?」  し……しまった。気合を入れて忍び足で移動しようとした最初の一歩を踏んだ瞬間、盛大に放屁してしまった。  辺りに『ぶうっ!』という情けない音が響き渡り、こそこそと移動していた幼女に気付かれ、早速見つかった。僕ださすぎ笑えない。 「あなたは……?」  思いっきり不審者を見る様な目で僕を見てくるのですが、僕は一体どうすればいいでしょうか?  落ち着け僕、もしこれが漫画やアニメだった場合……どう言えば切り抜けられる? まあ大抵のアニメや漫画が『僕は……あ、怪しい者じゃなくて!』とか言った直後に『きゃーーーー!』と叫ばれて終わるんだけどね。  そんな中でも正解の言葉を言う主人公は極一部、思い出せ! 正解の言葉放ったヒーロー達を。 「僕は……き、君を」 「え……」 「助けにきた」
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