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「……んん? 先程ここらへんで妙に滑稽な音が聞こえたが……気のせいか?」
……悪かったね、妙に滑稽な放屁で。
とりあえず僕は今現在、兵士が僕の放屁の音に気付いて近寄ってきたため、無理やり目の前の金髪幼女の手を引っ張って、さっき僕が隠れていた隙間に身を潜めている。
元々階段下の隙間は狭い場所だったため、今僕と金髪少女は密着した状態だ。
よく見ればこの子、十歳か十一歳くらいなんじゃないだろうか? やっぱり童顔だけど少し大人びた雰囲気を出している。
という事は……幼女じゃなくて少女? 後ちょっといい匂いがす……やばいやばい、僕から今とんでもない犯罪臭が。
「……えっと、行ったみたいだね」
「あ……あの、もうよろしいでしょうか?」
金髪の少女は軽く赤面しながらぼそっとそう呟く。
もし見つかったらこの子を持ち上げて逃げようと思っていたので、ずっとこの少女の肩を支えた状態にあったため、少女からすれば少し恥ずかしく感じたのだろう。
「あ、ごめん、君さっきから兵士に見つからないようにこそこそ移動してたろ? だから見つかっちゃったらまずいかと思って」
まあ見つかる原因作ったの僕ですけどね。
「いえ……助かりました」
金髪の少女はそう言いながら服についた埃を払うかのように服を叩き、階段の隙間から抜け出て僕の方に振り返りる。
「私……殿方にあんな風にされたの始めてです。責任……取ってくれるんですよね……?」
そして金髪の少女は少し膨れた顔でそう呟いた。
「いえ、無理です」
だが僕は即答した。だって僕は城内を自由に動けないし、こんな怪しい少女の責任を取ってられる程暇じゃない。
そう伝えると金髪の少女は一瞬呆気に取られたような表情を見せてから、
「冗談です」
と、不審者には思えないような優しい表情で微笑んだ。
「えっとだね……」
まずい……何を話したらいいのか全くわからない。まず僕自身が怪しすぎる存在だし、一応この国の従長扱いだけど今はそれが通用しない。
少女が怪しいとか言う前に、一番怪しいのはまさかの僕自身という落とし穴にまんまとはまってしまった訳だ。
とか考えていると、金髪の少女は不思議そうな……いや、変な人を見るような目で僕を真っ直ぐに見つめてきた。
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