第一項目 呪われた幻想の書物

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 もし自分が今夢の中にいるとしよう、そしてそれが夢という事に気付けたとしよう。  あなたならどうする?  その夢の世界は間違いなく夢で、魔法も使えれば気なんて大それたものだって放てる。  空を飛ぶ事だって出来るし、とりあえずやってみたい事は何でも叶える事が出来る世界。  間違いなく僕、新藤(しんどう)雄一(ゆういち)はその世界が夢と判断した時、夢の中に存在しているあらゆる女性の人を襲いにかかるだろう。  つまりのところレイプ、そしてそれを実行に移す動機も簡単な理由で、ただ本能がそれを要求しているというだけの話。  考えればわかる、現実の世界で女の人を襲うなんて事は世の中の縛りからして絶対に不可能だ。  もし原始人のようにウホウホやっていた頃ならば本能が赴くままに行動していたかもしれないが、今の世の中にはそれが出来ないルールが定められている。  そのルールを破れば自由を奪われるとか、殺されちゃうとか……つまりペナルティーが課せられる。  故に人は理性という人だけに与えられた能力を使い、その罪を犯さないように現実世界を生きている訳だけど、夢の中にはそのルールが存在しないため、例え女性を襲おうが何をしようがやりたい放題。  例え僕以外の人に、「夢の中でそれが夢と気付いた時にどうするか?」と問えば、間違いなく大体の人が普段なら絶対に出来ない事をすると言うだろう。  特に男性の中でも最も多いのが『女性を襲う』のはずだ、何故なら僕がそうだから。  まぁ女性の人がそうなった時にどうするかは、僕は女性じゃないのでわからない。ただ、とにかく人は現実世界では絶対に出来ない事をしようとするだろう。  これは自分の意志ではどうする事も出来ず、夢の中でそれが自分と気付いてしまった時、人は本能のままに動いてしまう。  どうしてそうなってしまうのかなんて僕にはわからない。でも僕が思うに皆現実世界にわずかながらでもストレスを感じているのだと僕は思う。  もし夢の世界が現実の世界になってしまったら?  僕が思うにそれはそれで、今度は夢の世界に秩序が出来てしまうため、結局の所何も変わらなくなると思う。  つまりは夢はあくまでも夢である事が重要なのだ。
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