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ていうか前例があるからってすぐ僕のせいにするとか酷すぎる。ちなみにその前例というのは……まあ秘密事項という事で。
「まあ聡美、落ち着いてよく考えてみてよ、その写真の中には聡美の写真も混ざっているだろう? 僕が聡美の写真をそんなこそこそ撮る訳ないじゃないか」
「う……確かにそう言われればそうかも」
ちなみに、さっきから僕を変態呼ばわりしている目の前の黒髪ロングの女子は、本日僕の夢の中に登場した聡美のパンツ事、柏(かしわ)聡美(さとみ)と言う僕の幼馴染だ。
家が近所のため小学校の頃から現在通う高校に至るまで登下校を度々一緒にしたりもしている。
そんな相手の写真を僕がわざわざ撮ったりするだろうか? いやしない。
何故なら昔から家が近所という事は親同士も仲が良く、昔から旅行なんかも一緒に行ったりして、聡美の写真は我が家に大量にあるのだ。
なのに今更こそこそと聡美の写真を隠し撮りする理由なんて僕にはない。
「そもそも何の証拠もないのに僕と決めつけるのは酷すぎじゃないですかね?」
「だってあんた変態じゃない」
「百歩譲って僕が変態だったとしよう……でも僕の変態値は一般人の平均に収まっているはずだ!」
僕は席を立って机を叩きながら、強く訴えかけるようにそう叫んだ。何故だろう? 孝一を含む周囲の視線がめちゃくちゃ痛い。
「それに僕はその程度の写真で興奮するような安い男じゃない! 僕ならもっとレベルの高い写真を所持するね、例えば女子更衣室の中の様子の写真とか!」
「全然平均に収まってないじゃない、あんたの変態値」
やめてよ、そうやって僕を汚物を見るかのような目で見下すの、複数人でそんな感じに見られたら興奮しちゃうじゃない。
「柏、そもそも新藤が写真を所持したからといって何なんだ? その写真を撮った奴を探すべきなんじゃないか?」
そこで孝一がようやく助け舟を出す。遅すぎワロタ、もう僕の心はハートブレイク寸前なんですけど。
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