第一項目 呪われた幻想の書物

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 準備体操のランニングだって、いつもなら十キロメートル走る所を聡美に合わせて三キロメートルに抑えたのに、聡美ったらその段階で息が上がっていた。  その後僕は軽いトレーニングを一通り終わらせてから、ベンチに座っていた聡美に手を差し出して立ち上らせ、自分の鞄を肩に掛けて公園から立ち去った。  僕の自宅は公園から歩いて五分くらいの所にあるため移動に時間は掛からない。聡美の家は僕の家より少し公園から遠ざかっているため、先に僕の家に辿り着く事になる。  といっても僕の家から聡美の家は歩いて二分程度で到着する距離なので大して掛かる時間は変わらない。 「はぁ……今日もまた雄一の無駄な努力を見るだけ見て終了か」 「誘って了承したのは聡美だろ? それに適度な運動がしたかったんだろ?」 「それはそうだけど……」 「なんだかんだで聡美っていつも僕に付き合ってくれるよね」 「まぁ……どうせ私も今日は暇だったしね」 「意外だよね、僕はそろそろ聡美の口から男の人と約束してるから無理って言われるんじゃないかと思ってたんだけど」 「……何でそうなるのよ」 「だって聡美って結構学校でモテモテじゃん? 男子の友達とかたくさんいるんだろ?」  聡美は学校で男子から何故か人気がある。確かに顔は目元がぱっちりしている上に整っているのでかわいい部類には入るのだろう。  クラスにいる男子達も僕が幼馴染という事で聡美の情報を教えろと言いよって来たりもする。 「男子で友達はそんなにいないわ、寄って来るアホそうな男子生徒ならたくさんいるけどね。校則破って髪の毛の色染めてる連中とか」 「そいつらと遊んだりしないの?」 「遊ぶ訳ないでしょ、向こうの方は友達としてじゃなく女として私と遊ぼうとしてるだけみたいだし」  聡美は一応モテモテなのだが、告白が成功したという情報は未だにない。聡美からも付き合っている男性がいるという話は聞いた事がないので多分本当に付き合っている男性がいないのだろう。
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