誕生日

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何分経っただろうか。 数分?……いや、数時間か。 いつの間にか 泣き疲れ、 眠りについてしまったのだろう。 昨日は、楽しみで眠れなかったから。 昨日の楽しみにしている私に戻りたい。 『っ……』 ドタキャンくらいで…… こんなに泣くなんて、馬鹿だ。 でも それくらい今日は 大事な日だったんだよ? お母さんたちが祝ってくれるって 言ってたのも断って… たかしは、二人で 過ごそうと言っていたのに……。 プルプルプル 家の電話がなる。 携帯の電源を 切っていたので、 もしかして たかしかも!と淡い期待を抱いた。 ≪もしもし。私、たかしの母です。 小池ちゃん。落ち着いて聞いてね? たかしがね、たかしがね……?≫ お母さんは、私を小池ちゃんと呼んだ。 そして この世で最も残酷な 言葉を発した。 ―――――――― ―――――― ――― ○○病院って何だっけ。 何でたかしは病院にいるんだろうか。 呼び出され、病院へ着いた。 私の目の前には、横たわった たかしらしき人。 しかし、顔には布が被せられていてそれがたかしなのかまだ分からない。 だけどね、たかしのお母さんが遺体の側で泣いているんだ。 たかし、たかしと名前を呼びながら、泣いているんだ。
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