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ガチャ
「やぁ、お嬢さん。お目覚めですか?」
私に話し掛けてきた、お兄さんが部屋に入ってきた
「せめて、口が使えるようにしてあげようか」
そう言うと、私に近付き口のガムテープを慎重に外してくれた
「よし、取れた…」
「外してくれてありがとうごさいます。あの、ここは何処でしょか?」
お兄さんは驚いていた…お礼を言ったからだろうけど
「感謝されるとはね…一発、殴ったやつなのに…」
苦笑いをしていた、お兄さんだけど表情が変わった
「ここは何処か、それは教えられないんだよ。ごめんね、お嬢さん」
「そうですか…えっと、貴方のことは何とお呼びしたら?」
そろそろ、奥歯の通信機のスイッチを入れるかな…と左の奥歯に着けてある通信機に舌で触れた
「僕のこと?木下と呼んでくれるかな…芦澤伊吹-アシザワイブキ-さん」
「荷物を見たのですか?」
偽名だけど、パスポートでも見られたのだろう
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