始まり

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山田:でも、データから考えると殺人兵器になりえるわ。奥山君。握力は250キロ前後。成人男性の約5倍だわ。脚力にしたって常人とは比べものにならないわ。視力や聴力に関しても人間に感知できないものまで感知できるわ。赤外線や紫外線、超音波ってことね。これでもまだ、殺人兵器じゃないと言えるかしら? 彼女がいかにも得意げそうな顔をして言う。 奥山:うっ・・・それは 彼女の言うことが正しいせいか、妙に神妙になる奥山。 岡辺:ったく。びびりすぎなんだよおまえは。こいつは殺人兵器以前に人間の英知なんだよ。科学の進歩を素直に喜べ! ところで、山田。実験を次の段階に進める。上に連絡して武装した人員をよこすよう掛け合え。 目の前のモニターに映っている培養器を見ながら満足げに彼は言う。 山田:ちょっと室長!あの部屋に人を入れるんですか?いくらなんでも危険過ぎじゃ。 奥山:そうですよ。誠さん。
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