『むかつくアイツ』

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「もう! あんたなんか知らない! 私、時間だから行くね!」 バタン 玄関のドアを閉める音が響く。後ろでアイツの声がするけど、振り向かずエレベーターの中へ逃げ込む。 (アイツとはもう一緒に居られない。別れよう……) 目尻の涙を周りの人達に気付かれないよう、そっと拭う。 アイツと同棲を始めてもうすぐ半年。付き合う前から喧嘩ばかりだったけど、お互いに好きだと知った時は嬉しくて。でも、すぐ一緒に住み始めたのは間違いだった。半年経った今でも喧嘩ばかり。 アイツは、私の気持ちを1つも分かってくれない。
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