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「いらっしゃいませ。○○高校の同窓会のお客様ですね。只今、2階の貸切りスペースにご案内しますね」
今日は高校の同窓会。
店員を待っている間、バッグの中から小さな鏡を出し、マスカラが取れていないか確認する。
片道電車で2時間半という距離と忙しい仕事を理由に、全く地元に帰っていなかった。皆と逢うのは成人式の日以来だから、もう5年にもなる。
そんな友達に、泣き顔なんてみっともない姿を見せたくない。
少し乱れていた前髪を整え、それからスカートがシワになっていないかを確認する。
(うん。大丈夫)
狭い階段を上がりドアを開く。
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