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「こんな奴関係ないから行こうよ!」
そう言い足を進めようとするが、強引に体の向きを変えさせられる。
私は安藤の腕の中にすっぽり入ってしまう。
「行くなよ……。忘れてるみたいだから言うけど、今日お前の誕生日」
た、ん、じょうび?
あ…………今日は2月8日。
「これ、渡そうと思ってたんだ」
ズボンのポケットから、小さい箱を取り出す。そして、目の前で蓋を開ける。
「みぃ……。どんな事があっても、お前と一緒に居たい。俺と結婚して下さい」
涙が出た。
わがままで、子供で、どうしようもない私と一緒に居たいと言ってくれる。
好きで、好きすぎて。困らせたくないのに、困らせてしまう。
構って欲しくて喧嘩してしまう。
そんな天の邪鬼な私の愛情を、彼はちゃんと分かってくれていたのだ。
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