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静まり返る室内。
「あら、あんなに死にたがってたのに、いざ死ぬとなると怖気づいたのですか?」
女は鼻で笑った。
「あの…ひとつ質問いいですか?」
康也の隣の男が発言した。
女は男を一瞥する。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。
私は「Recycling Act Of Suicides」……「RAOS」の室長、高橋 渚(たかはし なぎさ)です」
「で…僕たちはどういう状態…」
「あなたたちは「自殺者リサイクル法」の罰則を受けてもらいます。そう…「死刑」です」
「死刑…!?」
室内がざわつく。
「何故騒ぐんですか?あなたたちは元々死ぬ運命だったのに。
私たちがあなたたちの命をどう使おうが、文句を言われる筋合いはないですけどね」
「そんな……誰の命令だよ…」
「私たちは政府からの委託を受けた製薬会社です。全ては政府の命令です」
「なん…だと…?」
「さっそくですが、社会のために死んでもらいましょうか。では、お願いします」
高橋の命令で男たちは、康也たちに番号のかかれたプレートを渡していく。
「その番号があなたたちの運命を決めるものです」
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