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「総理…総理…」
秘書の呼びかけで鳩谷は目を覚ます。
「総理、ご気分はどうですか?」
「あぁ……眩暈がして咳も出る」
「つらいでしょうが…お電話が入っております」
「つないでくれ」
鳩谷は秘書から受話器を受け取る。
「ごきげんよう、総理」
「…また君か…」
「どうですか?うるさい輩は居なくなりましたよ?」
「君は…一体何を…ゲホッ…ゴホッ…」
「おや?総理も風邪ですか?
でも今日の国会はくれぐれも休まずにお願いします」
「あぁ…分かっている」
「採決されたら、報酬金は振り込んでおきますので。
では…お大事に」
電話は一方的に切れた。
(今日決まるんだ…これで…)
鳩谷は秘書に支えられながら国会へ向かった。
鳩谷は場内に入り驚愕した。
野党側の人間が全員いないのだ。
「なんだ……これは…」
「総理、昨日の間に野党側の議員は全員自殺したと…」
「なに……!?」
とうとう議員まで……次は自分かも知れない…
「今すぐに採決するんだ!」
「そんな……まだ参議院どころか衆議院も通ってないのに…」
「いいから早く!!私の首が飛んでもいい!」
「わ…分かりました…!」
「頼んだ……ゴホッ…!ゲホッ!」
鳩谷はその場に倒れこんだ。
(頼む…採決を…)
全てを秘書に委ね、意識を失った。
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