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「……!…ぃ!」
遠くから声が聞こえる。
まるで誰かを呼んでいるようだ。
「そ…ろ、…ろよ!」
まぁ、僕には関係ないか。
ゆっくりと意識を沈めていく。
バシッ
『いっ!?』
背中に激痛が走った。
どうやら叩かれたらしい。
「おっ、やっと起きたか!」
「ちょっと!やりすぎじゃない?」
「良いんだよ。なかなか起きないコイツが悪ぃんだし」
目の前に男子生徒二人と女子生徒一人が机の回りに立っていた。
『!?!?』
「ちょっとー、彼混乱しちゃってるじゃん」
「え゛!?俺?俺のせいなの?」
「馬鹿かお前。
叩いたのお前しか居ねぇんだからお前に決まってんだろ馬鹿」
「ちょっ、馬鹿って言ったな!
しかも『バカ』じゃなくて完全に漢字で本気にした『馬鹿』じゃねぇか!」
「馬鹿に馬鹿って言って何が悪い?」
「馬鹿って言うならせめて『バカ』か『もう、このおばかさん』っていえよ!」
『……』
「ちょっと、いい加減にしなよ!彼が困っているじゃない!」
女子生徒の一声で喧嘩はおさまったみたいだ。
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