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「そうか?俺は、それでも彼女の事が好きだった。でも、行方が分からない。それに、返せる筈も無い借金。生きるのが面倒だと感じたよ。で、ここへ来たって訳だ。
本当情けねぇよ。大金見た瞬間、『これは来た』なんて思ってたんだから。俺は、死ぬ覚悟なんて出来て無かったんだよ。この中で唯一。」
「栗林さん。」
「福井。一回目の投票の件、本当に悪かった。俺はもう、このプロジェクトとやらを降りる事にするよ。」
「え?」
栗林は静かに受話器を置いた。
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