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「あ!」
「…どうしたの?」
突然声を上げた私に、梓は怪訝な表情を浮かべる。
私はあらゆるポケットを探りつつ。
「……ない」
「え?」
次第に血の気が引いてゆくのを感じる私。
「…ケータイ。体育館に忘れた」
その言葉に、梓の顔も青ざめたものに変わる。
「取ってくる!」
そう言い放って、踵を返す。
「あ、じゃあ私も」
「アズちゃんは教室行ってて!すぐ戻るから!」
梓を巻き込んでしまわないよう、屈託のない笑みを浮かべて自信満々に言った私は、慌てて体育館へ向かった。
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