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「あれ……ない」
誰もいない体育館。
散った桜の花が、そよ風に流されて中へ入る。
「…おかしいな」
自分が座っていたパイプ椅子周辺を見るが、どこにも黄色のスマートフォンは落ちてない。
「もう持ってかれたか……不覚」
落胆し、やる気を失った私は、ドカリとパイプ椅子に腰掛ける。
「あ~~~やる気しない。もう萎えた……」
「……………………」
「よし決めた!今日は一日ここで過ごそう!!」
投げやりに叫んではみたが、やはりケータイを無くしたショックは大きく、私は俯いてしまった。
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