入学式

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「ていうか、アンタそれ……」 黒弥が左手に握っている黄色のスマートフォンを指差すと、彼はニヤリと笑ってそれを掲げる。 「これ?……お前の。落としていったんだろ?ドジな奴だなぁ」 「返してよ」 「う~ん」 「返せ」 「…なぁ。お前もなんでそんな上からなんだよ」 「はぁ?」 突然訳の解らないことを言い出した黒弥に、私が青筋を額に浮かべながら叫ぶと。 「俺が拾ってやらなかったら……今頃これがどうなってたかわからないぜ?もしお前のストーカーとかが拾ってたら…さ」 「で、なに?お礼を言えばいいんでしょ。ありがとう。はい返せ」 イライラしながら私が答えると、黒弥は考え込むように腕を組んで唸る。
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