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「……琴葉、アンタ入学式中ずっと寝てたでしょ」
「あぁ。やっぱバレてた?」
「バレバレだよ。一人だけ首が前に出てるんだもん。」
「… はは。じゃあ、今度は気をつけて寝よ」
「寝ないように気をつけなさい」
入学式終了後。
教室へ向かう途中の空中廊下で、傍らを歩く茶髪ボブカットの少女が呆れ果てた表情で私に言った。
永峰梓(ナガミネアズサ)
私の中学の時からの友達で、なかなか面倒見の良い大人な女の子。
部活が軟式テニス部で一緒だったのをきっかけに、いつのまにか仲良くなっていた。
彼女は、私が告られた回数や付き合った回数を完全に把握している。
もはや保護者以上だ。
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