ア レエスタウランティー ピホビア

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トントンと一定のリズムで栂の指がテーブルを打つ。まるで、時計の針が丸い箱の中を一周しているかのようだ。 「恐らく……」 丁度、栂の背後で雨が降り始めた時だった。彼の指が止まり、お若い教授が口を開いた。 「捨てたんでしょう」 目が飛び出しそうになるほど驚いて、目が抉れそうなほどガッカリした。まさか、奴の口から、こんなに簡単な答えしか出てこないとは、思ってもみなかった。 「それだけか?本当に、それだけなのか?」 大人気無く、テーブルの上に身を乗り出すと二つの皿がぶつかり合い、カチャリと音を立てた。栂の眉間に皺がよる。 「そうですね。深澤さんが、もっと複雑で難しい答えを聞きたい、というのなら、お答えしますが?」 始終ムカつく餓鬼だ。本当は頭の中で複雑な"言葉の計算式"が出来上がってるんだろ?既に答えを知っているのに、何故こんなにも悔しい気持ちになるのか。 そんなに言うのなら 答え合わせと行こうじゃないか。
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