見知らぬ世界と人々

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んあ、今日も出かけなければ。 とりあえず、起きたらタバコでも、吸うか.. オレは、気怠い眠さに軽く、ジャブを入れて、眼を開けた。 !!! 「ぬあっ!!どこだ、ここ!!」 見た事も無い風景が目の前に、広がっている。確か記憶の片隅に、こんな文明が遠い昔、どこかの銀河にあったような.. 「てか、いかん..名前ワスレテル..」 オレは、相当に動揺した。いかした名前だったはずなのに、全くでてこない。 かーちゃん、ごめん。どこいんの。 からだに、触れると衣服を着けているのに、気づいた。どこかのデータベースにあったような、太古のファッションだ。やってられない.... というか、まだ生身の人間が、ぞろぞろおっそいスピードで、列をなして歩いている。 「おいおい、死ぬまであっというまなんだよ。もっと、生き急げ。」 誰も空を飛んでないし、眼に見えるままだ。 「命が惜しくないようだ。」 一通り、感想を勝手につぶやくと、オレは思った。 (か、からだが、重すぎる。100m3秒のオレが1mで3秒もかかっているではないか) (とにかく、名前が分からん) (明らかに、これはオレの体ではないし、なんのヴァージョンアップもされない、すぐ死にそうだ) ただ、言語能力の高いオレはトランレイターなしでも、100万語を使いこなせる。自慢じゃないが、確か薄い記憶によるとなんかの栄誉をもらったこともあるはずだ。なんだ、なんの栄誉だったんだ。とーちゃん、教えてくれ。 「タバコ、吸いてーな」 ポケットに何もないことに、気づいてまた思わず、ぼそりとつぶやいた.... もらうか、そこいらの死に急ぐ太古の人間に....
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