プロローグ

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私は、幸せだった。 仕事は忙しく辛い事も多かったが、遣り甲斐のある仕事だった。 何より、幼い頃からの憧れを現実にする為に頑張って頑張って、なる事の出来た…そんな職業だった。 憧ればかりでは出来ない仕事と、何度挫折しそうになったか解らないが、それでも私にとっては“生き甲斐である”と、胸を張って言えた。 それに、私には…支えてくれる人達が居た。 両親や兄弟、友人に同僚…最愛の人、愛しい子供達。 優しい人達。 私の…大切な大切な人達。 その全ての人に支えられて、その時の私は在った。 彼等の内の誰か一人でも欠けていたら…今の私は無かった。 その全てに、感謝を想いを還そうと…そう、思っていた。 少しずつでも、私の想いを…還せたらと、そう…思っていた。 あの時までは。 ,
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