それはあり得ないよ、という話

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その日は、とても暑い日だったのを良く覚えている。 「…………」 だから、この学校の名所、いつもどこかで猫を見かける学校前の長い坂、猫坂も地獄に早変わりと言うわけだ。 汗だくで、気分も悪くなった。 「…………なぁ」 だから、きっと俺は話かける相手を間違ってしまったんだろう。 そうでもなければ、俺の方から彼女に話かけるはずはないのだから。 「……なんで、ヘッドホンつけてるんだ?」 だから、きっとこれはそういうことなのだ。 話かけた相手を間違えて、それを言うのも恥ずかしくなったから、その程度で始まった物語。 きっと、ただそれだけの話。
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