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-バンッ- 「もうやだ!ピアノなんて練習したくない!」 美音は勢いよくピアノの蓋を閉じると、母の声を無視して暗い夜道に飛び出した。 セーラー服のまま、美音は寒い夜道を駆け出す。今夜はもう、帰らないつもりだった。 美音は、小学生の頃に父を亡くしていた。自殺だった。 ピアニストであった美音の父は、指の病気にかかりピアノが弾けなくなってしまっていた。 父が自殺したのは、そのことがわかった翌日だった。
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