―はじまり―

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「…で、悩みに悩んだ末の結果はどうでしたか?」 丁度自分のところに記入用紙が回ってきた仲崎は、記入しながら桂多に言った。 だが、なかなか桂多からの反応がない。 記入用紙を他の人に渡し、俯いていた桂多の近くによる。 「……桂…多?」 覗き込むように桂多の様子を窺う。と同時に、 「仲崎ぃー…」 桂多が仲崎の肩にもたれかかってきた。 仲崎は一瞬驚いていたが、桂多の反応を見てすぐに悟ることができたようだ。 「…運が、悪かったな…。でも、その先輩じゃなくたって、いい先輩沢山いるって!だから気落とすな、な?」 ポンポンと頭を撫でられた。 仲崎の励ましの言葉に、桂多はコクりと頷いた。 「でさ。結局のところ、誰になったんだよ?」 仲崎は桂多が引いた紙を見た。               _
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