9人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日はここに泊まろうか」
二人が着いたのは、森の奥にひっそりとたたずむ、古い屋敷だった。
「うわ、なんか出そうな所だね」
「怖いのが苦手なの?バラオのくせに」
「獣は人間より何倍も鋭いからね。ていうかバラオのくせにって腹立つぅ!」
「行こっか」
バラオの怒りには一切触れず、ジェンドは屋敷の入り口へと歩きだした。
「待ってよジェンド~」
遠ざかるジェンドの背中に不安を覚え、バラオが慌てて追い掛けていく。
「開けるよ」
キイィィ
さびた扉の不気味な音が、一層バラオをビビらせる。
「何かあったら助けてね、ジェンド…」
「わかったわかった」
最初のコメントを投稿しよう!