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扉を開けてまず目に飛び込んできたのは、お城のように広いロビーだった。
花柄のソファー、金縁のテーブルに豪華なカーペット。他にも高価そうな家具がたくさん置かれている。
しかしそのどれもが傷み、厚くホコリをかぶっていた。
「だ、誰もいないみたいだね…」
「当たり前だろ。こんな所に人が住んでたらそれこそ……あれ?」
「あれって?あれって何!?」
「下…」
ジェンドがゆび指したのは、ホコリが積もって真っ白になった床だった。
暗がりでよく見えないが、注意深く観察すると真っ白の中にまだ新しい足跡がくっきりと残されているのが見える。
「ねぇバラオ、これって…」
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