第一章 一人と一匹

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「だからゴリラじゃ………」 しかし係員の言葉は続かなかった。急に身体が逆さになったと思うと、次の瞬間にはバラオの口の中へと飲み込まれてしまったのだ。 「………!!………!?」 「バラオ、この人なんかしゃべってるよ?」 「くひのなふぁにひれたらだまるふぁなとおもっふぁんだへど」 「……!!……!!」 「黙らないみたいだね」 「うげぇっ」 「あ…」 バラオは口の中で暴れる係員の迫力に耐えきれず、ペンギンと共に係員を吐き出してしまった。 「ブハァッ……い、生きてる!?」 ゴリラは生まれたての子牛になった。
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