第一章 一人と一匹

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グウゥゥ… 「お腹すいた…」 「さっきみんな出しちゃったもんね。どうするか」 ジェンドとバラオは暗い森の中を歩いていた。聞こえるのはフクロウの鳴き声と、バラオの腹の音だけ。 ふと、ジェンドが口を開いた。 「お家に帰りなさい、か…。僕たちの帰る場所は、どこにもないんだけどね」 ジェンドがまだ幼かった頃、家の庭で遊んでいたのをバラオが連れ去ったのがきっかけだった。 食料として捕まえたはいいものの、上手く手なづけられてしまい、今に至る。 「それ、ボクに対して言ってるの?耳が痛いなぁ」 「その通りだよ」 「………」
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