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グウゥゥ…
「お腹すいた…」
「さっきみんな出しちゃったもんね。どうするか」
ジェンドとバラオは暗い森の中を歩いていた。聞こえるのはフクロウの鳴き声と、バラオの腹の音だけ。
ふと、ジェンドが口を開いた。
「お家に帰りなさい、か…。僕たちの帰る場所は、どこにもないんだけどね」
ジェンドがまだ幼かった頃、家の庭で遊んでいたのをバラオが連れ去ったのがきっかけだった。
食料として捕まえたはいいものの、上手く手なづけられてしまい、今に至る。
「それ、ボクに対して言ってるの?耳が痛いなぁ」
「その通りだよ」
「………」
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