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僕は丸くて青くてただただ広い地球の、日本という本当に小さな世界の片隅に立っている。 69億分の1という、ちっぽけな存在でしかない。 『今日も楽しく無かった』なんて、重力に負けて重くなった荷物を地面に置いて、一人いつもの河原で一面に広がる芝生の上に寝そべって夕日を眺めていた。 ―ここにくれば優しくなれるような気がして。 山の向こうに沈んで行く夕日を眺めていたら、決まって思い出すのがおばあちゃんのこと。 僕がちょうど小学校にあがる前、おばあちゃんと手を繋いで歩いた夕日が赤く光る川沿いに延びる小道。 「おばあちゃん!僕、友達100人できるかなぁ?」 幼い僕はまだ、キラキラ光る希望とワクワク高まる期待に胸を膨ませ目を輝かせていた。 「きっとできるよ。ゆうしは優しくて、物を大事にできる子だから。その笑顔でいればきっとね。」
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