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「…眠い…。』
この茶髪のボサボサした髪型の少年、
イルは、
半分寝言でそれを言うと、
再び爆睡しはじめた。
なんだか外が騒がしいが、イルには関係の無いこと。
どうせ魚の競りがヒートアップし過ぎて、
海の男の力勝負に発展したに違いない。
…と思ったからである。
イルには家族がいない。
病弱な母は、
イルが生まれて、
すぐ亡くなった。
父は、
騎士として、
遠いどこかで戦っている。
その代わり、
イルは隣人の「エリー」
と言う少女の叔父に
いろいろと面倒を見てもらっている。
そうこうぐぅすか寝ているうちに、
急に村がしんと静まり返った。
その瞬間―
「イル!起きなさいよ!!村が大変なの!!」
「…まだ眠い―。」
「緊急事態なんだから起きなさいよ!」
「ぐおー、すぴー。」
「…(ぷち)。」
イルの家に突如侵入して来た少女の何かがキレた。
そして、イルの家の台所から道具を選び始める。
「…起床用フライパン、
護身の為調理用ナイフ、
いつもの様に朝食用意して…。」
少女は、
半分殺意をもって、
イルに近寄った。
―そして。
「起きろネボスケー!!」
ーガァンッ☆★☆―
前代未聞だろう。
主人公が寝ている隙をついて、
主人公を鈍器で撲殺するヒロインは…。
「…あぁ、おはよ。エリー。」
いや、
殺されてはいなかった。
しかし、鈍器で殴られたあと普通に挨拶って…。
と、事件の犯人に居場所がバレてしまった。
「オイ!ここにもいたぞ!!」
「あ、しまった…。」
イルの家に無断侵入した少女こと、
エリーは自分で自分の口を塞いだ、
…ばれてから塞いでも遅いのでは??
その頃、イルは…
「やっぱエリーの作ったメシうまいなー!」
朝食を食べていた。
イルの家に次々集まるゴブリン達。
まず情報を適格に伝えるべく、
エリーは、
イルの座っている所の、
ちょうど向き合える位置に座った。
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