日常の崩壊!?

5/5
前へ
/70ページ
次へ
「イル!これを!!」 エリーは精神を集中しながら、 鞘に収まった調理用ナイフを投げた。 そして、詠唱を開始した。 「火よ、弾となり敵を撃て!火弾(ファイアーボール)!!」 石斧を投げ付けられ、 怯んだゴブリン(2匹目)に火の塊が炸裂する。 イルは鞘からナイフをぬくと、 襲って来る3匹目に素早く近寄る、 ゴブリンが石斧を振るうが、 イルはその下を掻い潜り、 ナイフを十字をきるように振った。 「新技、「十字斬り」。 …いかが?」 返答は無く、ゴブリンは地に伏した。 「くそぅ!ならこれでどうだ!!」 残った2匹が同時に襲いかかってきた、 すると二人は顔を見合わせ、 「そっちが2匹同時なら…!」 「こっちも二人同時に行くわよ?」 エリーの手に宿る炎が、 イルの調理用ナイフに宿る…。 「行っけー!イル!!」 「剣よ燃え盛れ! バーニングスラッシュ!!全てを焼尽くせ!!」 ―ドオォォォォン― 「ぷは、焼けるかと思ったら。」 煙の中から出て来たイルは、まったくの無傷だった。 「ちゃんとシールド張ってたもの。 さて、これからどうするか…。」 「当然!捕まった人達を助けに行くんだ!! あー!なんかわくわくする。」 「不謹慎ね! …ま、初めての冒険ってところかしら…。」 「な!わくわくするだろ!」 「だから村の人の命がかかってるんだから―」 「俺は今日から即席勇者だ―!!」 「聞いてないし…。」 イルとエリー、 デコボコなこの二人が、 今旅立って行く。 この、故郷イミルから…。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加