ベンチの神様。

3/3
前へ
/13ページ
次へ
「先輩からのツテ。まあ、俺らはあんな風にならない様にガンバろーぜって事。」 話を強引に終了させて来た中学からのチームメイトに、苦笑いを浮かべる。 「どんな事だよ。けど確かに、試合には出てぇよな。頑張ろうぜ。」 そこで会話は終了し、俺はバットなどの道具を持つ。 それを倉庫に持っていく時、さっきの「ベンチの神様」と目が合った。 やべ、さっきの話聞こえてたりして。 直ぐに俺は目を逸らし、そそくさと倉庫へ足を運ぶ。 倉庫に道具を置き、チラッとベンチの神様をみると、また先ほどの様にボールを丁寧に拭いていた。 俺はその時、この先輩を見て思っていた。 こうはなりたくない。 試合中、ベンチで雑務ばっかなんてまっぴらだ。 俺は綺麗にボールを拭いているこの先輩を心で見下した。 そんな事も、既にもう一年前の話だー…
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加