灯す火

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「あんたなんか産まなきゃよかったなぁ」 それがお母さんの口癖だった。 私は高校2年生になった。今日は高校2年生になって初めての通学の日だ。 そして今日、私はお母さんに殺されかけた。 いや…お母さんは私を殺したんだ。 私はお母さんにマンションの屋上から突き落とされた。 でも… 私は生きていた。 体中の骨が痛い、体中から血が流れ出しているのが見える。 私の体も、魂も、心も‥私の全てが私の中に存在している。 何故か意識すら、消えずにあった。 私は、ゆっくり立ち上がった。 痛かった。苦しかった。 なのに、私は意識をしっかりと保っていた。 私は立ち上がり、コンクリートの床に足を引きずりながら、道路へと出た。 私を見た人達全員が、私に駆け寄った。 どうしたの?何があったの? 皆、口を揃えて私にそう聞いた。 そして、私を囲む人々を押しのけ、そこから、慌てたように、お母さんが顔を出した。 お母さんが私を見た瞬間、驚いた様子を見せ、私を抱きしめた。 「なんで!なんでなのよ!!」 お母さんは小声で言った。 ‘なんで…なんで生きてるのよ…,
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