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あれは、高校の入学式当日。今とそう遠くない日だった。
あたしは寝坊して、入学式に遅れそうだった。それで急いで走ってたんだけど…。
プップー!!
キキーッ!!
車のブレーキの音とクラクションの音がいきなり聞こえて、驚いた。多分横を見ずに信号を渡ったんだと思う。
気づいたら、車がこっちに近づいて来て…。
―――その時だった。
『ぼーっとすんな!』
『えっ?』
祐樹があたしの前に現われて、手を引いてくれたのは。
そのおかげで、祐樹があたしを歩道の中に引っ張ってくれたおかげで、あたしは助かった…。
この後、お礼を言う間もなく祐樹はどこかへ行ってしまった。けど、制服が同じでネクタイの色も一緒なのは分かったから、また学校で会えるって思った。
それで、
見つけたら、告白しようって思った。
だから聞き込みの結果名前が分かった時、すぐに告白した。
フラれちゃったけど。
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