5/7
前へ
/28ページ
次へ
あれは、高校の入学式当日。今とそう遠くない日だった。 あたしは寝坊して、入学式に遅れそうだった。それで急いで走ってたんだけど…。 プップー!! キキーッ!! 車のブレーキの音とクラクションの音がいきなり聞こえて、驚いた。多分横を見ずに信号を渡ったんだと思う。 気づいたら、車がこっちに近づいて来て…。 ―――その時だった。 『ぼーっとすんな!』 『えっ?』 祐樹があたしの前に現われて、手を引いてくれたのは。 そのおかげで、祐樹があたしを歩道の中に引っ張ってくれたおかげで、あたしは助かった…。 この後、お礼を言う間もなく祐樹はどこかへ行ってしまった。けど、制服が同じでネクタイの色も一緒なのは分かったから、また学校で会えるって思った。 それで、 見つけたら、告白しようって思った。 だから聞き込みの結果名前が分かった時、すぐに告白した。 フラれちゃったけど。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加