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と、そこで。
「優香~」
「?あ、美咲ぃ~~!」
小走りでこっちに駆け寄って来る美咲。可愛いなぁもう。
……ん?
ふと、祐樹の方を見れば。
「…っ……美咲」
顔を赤くして動揺している、祐樹の姿。
え?待てよ?もしや祐樹って……。
「おはよう祐樹くん」
「はよっ」
やっぱり。目が輝いている。生き生きしている。
これは………恋!
恋する瞳ッ!!
「ちょっ!祐樹来てっ!!」
「は!?おいっ…!…じゃあまたな。美咲」
馬鹿……。何で?
何でそんな愛おしそうな目するの…?
やっぱり…――。
「…祐樹。美咲が好きなんだね!?」
「!?なっ?何言って……!?」
「やっぱり!」
「ちげーっての!」
嘘つき。めちゃくちゃ動揺してる。さっきと同じ。
恋……してんじゃん。
っていうか何で美咲に恋してんなら、あたしの事知らないの?美咲しか見えてなかったとでも?
「…っもういいだろ!教室戻る」
「あ、待ってっ!」
帰らせる前に、言いたい事がある。
「あたし、諦める気ないから!」
だって好きだもん。
ほんとは今、もの凄くショックだよ?泣きたいよ?
でも、泣かないのがあたしの取り柄だから。
…ウソ泣きはするけど…。
それに、チャンスはある。いくらだって。だから振り向いてくれるまで、ぶつかるのみ!
「……言っとくけど、俺はお前の事好きじゃない。好きにもならない。以上」
淡々と言い終わり、すたすたと行ってしまった。クールだ。
そこがいいのもあるんだけど。
それより今日は色々あったな…。
祐樹の意外な一面が見れた。
告白した。フラれた。
祐樹の……好きな人が心友だって分かった。
嫌な事が多かったけど、そんなの帳消しになるくらい祐樹の事が知れた。少しだけ近づけた。
それだけでいいや!
落ち込むな、あたし。悩むなあたし!
笑えーー!!
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