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「おっはよーー!!祐樹、今日もかっこいい!」
朝からうるさい、って言われるかもしれない。でもいーや。
大好きな祐樹に挨拶するためだもんっ!
まぁ、元気よく挨拶したところで大した返事は返ってこないけどね。
「うるせー…」
「酷い!けどそういう祐樹もかっこいい!」
ほら、案の定これ。
もう慣れたけど。
「お前、諦めろよな…」
「い・や・だっ!ぜーったい諦めないぃ~」
「…はぁぁ~…。俺は絶対―――」
「…?」
突然、祐樹の声と目線が止まる。
不思議に思ってその目線を辿ってみると…、
「……美咲?」
祐樹の嬉しそうな、生き生きとした視線の向こうには、あたしの心友が居た。
正直、ちょっと傷ついた。
でも、あたしは……絶対へコたれない!
「祐樹!」
「!…な、何だよ」
「大好き」
ポカン…。
そんなあほ面の祐樹をその場に残し、あたしは走る。
さっき言った“大好き”は、最高の笑顔で告えたと思う。今までの中の最高に無理した笑顔で。
だって…そうしてないと。
さっきあの場で、笑ってないと。
あたしの心も、持たなかった。
きっと祐樹にも酷い事を言ってたかもしれない。
恋は、人をおかしくさせるから…。
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