思いは

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「おっおはようございますっ」 鏡は慌てて目を隠すように髪を整え、上半身を起こす。 「おはようって……今夜ですよ?鏡さん」 「じゃっじゃあ……今晩は……」 優壱は思わずクスリと笑った。 「はい。今晩は」 確か鏡さんは俺より3歳年上だったはずだからな…… だが、今目の前に居る相手は小柄で童顔だ。 小動物というイメージが浮かんだ。 なんだか可愛いらしい。 「休憩ですか?」 「はい。閑さんと巴さんから30分の休憩を貰ったんです」 優壱は問いに答え、自分のロッカールームに行き、自分の鞄から板チョコを五枚取り出した。 それを持って鏡の前の席に座り、かじりはじめる。 「……全部食べるんですか?」 「え?あぁ、鏡さんもいりますか? まだ鞄の中二十枚くらいありますから」 「二十……っ!?」 パリパリと板チョコをかじっていく優壱を見ているとなんだか胸焼けがしそうな鏡だった。
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