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「雪斗さん。負けたって本当なんですか?」
「え?あぁ、はい。初めて負けましたよ」
雪斗はそう言い少し悔しそうに苦笑する。
「相手はそんなに強かったんですか?」
「強い……と言うより、読めないですかね」
「読めない?」
顎に手を当てながら言う雪斗に優壱が聞き返せば、雪斗はええと頷いた。
「普通の方はいい札が来た時には目を輝かせたり、悪い札が来た時には顔を歪めたりと多少なりと変化があるんですよ」
「でもそれぐらいなら誰だって頑張れば隠せるもんじゃないですか?」
「まぁ、そうですね。そういう方も確かに居ます
そういう方の場合は捨てる手札で相手の手札をある程度察せるんですが……
あの方は捨てる札が不規則で……
いい札も次から次へと捨てて、ルールを知らないのではとさえ思いましたよ」
「でも……雪斗さんは負けた
つまり、それだけ相手が計算高かったってことですか?」
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