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雪斗はいえ……と言い答えた。
「何も考えていないのでは?と思う程読めない方でした
本当に何も考えていなかったのかも知れません」
雪斗がそう呟いた時、騒がしいカジノの音の中で、真っ直ぐこちらに近づいて来る足音に優壱が気づき、振り返る。
客らしき男が真っ直ぐ雪斗の方へ歩み寄っていた。
敵意や殺意は感じないが、優壱はボディーガードとして念のため警戒はしておく。
男は雪斗の前に立つと小さな笑みを口元に浮かべ、口を開く。
「俺以外に負けてないよね?」
「ええ」
問いかけに雪斗は苦笑しながら答えた。
その会話で雪斗の前に立っている相手が何者かを悟った。
そんな優壱の考えを確定させるように雪斗が言う。
「優壱君。この方は俺を負かせてくれたお客様だよ
お客様、こちらはカジノ【Gold】のボディーガード、如月優壱です」
「初めまして、お客様
如月優壱です」
「うん。初めまして」
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