思いは

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「まっ待て!!」 ガタンッと勢いよく椅子から立ち上がった組長に雪斗は視線を向ける。 「何でしょうか?」 「どうせイカサマしてんだろ!! おかしいじゃねぇか!! 運で決まる勝負だってのにお前は負けなしだ!!」 「それは……」 雪斗はスッと横に並べるように崩したカードから三枚のカードを抜き出す。 それを組長に見せる。 ハートの7 ハートのキング そして最後に ハートの1 その合計の数字はブラックジャック最高の21の数字となる。 「今まで戦ったお客様より俺の運は強かったのでしょう」 雪斗は並べられたカードの数字が見えるようにひっくり返す。 そのカードは順番に並べられている訳ではない。 規則性もない。 そんな中から雪斗は同じマークで21という結果を組長に突きつけた。 組長は目を見開いていたが、やがて懐から拳銃を取り出し、仕返しというように雪斗に拳銃を突きつけた。
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