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優壱は嬉しそうに味わいながら飲んでいる。
そして綺麗に飲み干すと両手を合わせ、
「御馳走様でした!」
と言ってニッコリ笑っていた。
「お粗末さまでした」
鏡は空になったグラスを回収し、洗い始める。
その間優壱は席から離れず鏡をジッと見ていた。
鏡は少しイラッとした。
「何ですか」
「いや、鏡さんって綺麗な目してるのにどうして隠してるんですか?」
その言葉に鏡はピクリと反応し、手を止めた。
だが、すぐに作業を再開し、口を開く。
「嫌いなんですよ。自分の目が」
「どうして?綺麗じゃないですか」
鏡の頭に完全に血が上った。
怒りという形で。
怒鳴ろうとしたその時だった。
激しい衝突音と共に何かが床に転がった。
鏡がそれを拾ってみると……
「缶コーヒー?」
ちょっと周りがへこんだ缶コーヒーだった。
そして床に転がっているのはコーヒーだけではなかった。
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